iPhone, iPad, Apple Silicon Macに搭載されているSoCのNeural Engineのコア数と1秒あたりの演算回数を調べましたので載せておきます。
Contents
調査動機
- Apple Music Singがリリースされて、対応機種がだいぶ絞られていたのでNeural Engineゴリゴリ使ってるんだろうな…と考える
- 実際に何コアで足切りしてるんじゃろ
- 調べてもどこにも載ってない
- 調べても載ってないものを書くのが当サイトの使命
コア数と演算回数一覧
SoC | コア数 | 演算回数(/s) | 代表的な搭載機種 |
---|---|---|---|
A11 | 2 | 6000億回 | iPhone X, 8, 8 Plus |
A12 | 8 | 5兆回 | iPhone XR, Xs, Xs Max |
A12X | 8 | 5兆回 | iPad Pro 11(1st gen) |
A12Z | 8 | 5兆回 | iPad Pro 11(2nd gen) |
A13 | 8 | 5兆回? | iPhone 11, Pro, Pro Max |
A14 | 16 | 11兆回 | iPhone 12, 12 mini, Pro, Pro Max |
A15 | 16 | 15兆8千億回 | iPhone 13, 14 |
A16 | 16 | 17兆回近く | iPhone 14 Pro, Pro Max |
A17 | 16 | 約35兆回 | iPhone 15 Pro, Pro Max |
M1 | 16 | 11兆回 | iPad Pro 11(3rd gen), Air(5th gen) |
M1 Pro | 16 | 11兆回 | MacBook Pro 14/16″ (2021) |
M1 Max | 16 | 11兆回 | MacBook Pro 14/16″ (2021) |
M1 Ultra | 32 | 22兆回 | Mac Studio(2022) |
M2 | 16 | 15兆8千億回 | iPad Pro 11(4th gen), Air(M2) |
M2 Pro | 16 | 15兆8千億回 | Mac mini, MacBook Pro 14/16″(2023) |
M2 Max | 16 | 15兆8千億回 | MacBook Pro 14/16″(2023) |
M2 Ultra | 32 | 31兆6千億回 | Mac Studio(2023), Mac Pro(2023) |
M3 | 16 | 18兆回 | MacBook Air(2023) |
M3 Pro | 16 | 18兆回 | MacBook Pro 14/16″(M3, 2023) |
M3 Max | 16 | 18兆回 | MacBook Pro 14/16″(M3, 2023) |
M4 | 16 | 38兆回 | iPad Pro(M4) |
A13の公式情報の矛盾とそこから得られる仮説
表を見ると、A11, A12, A14, A15, A16と演算回数は世代ごとに順調に増加していますが、A12からA13の際は同じ毎秒5兆回になっています。A13はAppleから出ている情報に矛盾が見られるため、補足しておきます。
iPhone 11シリーズが発表された2019年9月の基調講演では、iPhone 11に搭載されているA13はA12に比べ、20% Neural Engineが高速化されているとAppleが明言しています。この情報に従えば、A13のNeural Engineは毎秒6兆回程度の処理能力を持っていることになりそうです。
しかし、同じくA13を搭載しているiPhone SE(第2世代)が出た際のプレスリリース、「iPhone SE、人気のデザインが パワフルな新しいスマートフォン として登場」の記述では、「A13 Bionicは機械学習に適した設計となっており、毎秒5兆の演算処理を実行できる専用の8コアNeural Engine…」となっており、内容に矛盾が見られます。
もし両方の情報が正しいとすると、iPhone 11に搭載されているA13とiPhone SE(第2世代)に搭載されているA13は、Neural Engineの性能が違うことになります。これはあり得ない話でもなく、実際iPhone 13に搭載されているA15とiPhone 14に搭載されているA15はGPUの性能が異なります。
また、最近リリースされたApple Music Singでは、同じSoCを搭載しているはずのiPhone 11が対応でiPhone SE(第2世代)が非対応というよく分からないことになっていますが、もし上記の仮説が正しければこのような仕様になっていることの説明がつきます。
中々この仮説は検証のしようがないので、本当の所は謎に包まれたままですが、結構面白い話だと思います。
出典
Apple Newsroom
- Apple、M1チップを発表
- Apple、M1の画期的なパフォーマンスと能力をさらに高めたM2を発表
- M1 ProとM1 Maxが登場: Apple史上最もパワフルなチップ
- Apple、パーソナルコンピュータ向けとして世界で最もパワフルなチップのM1 Ultraを発表
- Apple、iPhone 14 ProとiPhone 14 Pro Maxを発表
- Apple、iPhone 14とiPhone 14 Plusを発表
- Apple、目を奪う美しさの新しいパープルのiPhone 12とiPhone 12 miniを発表
- iPhone史上で最高かつ最大のディスプレイを搭載したiPhone XsとiPhone Xs Max
- Apple Events, October 2021
- これまでで最も先進的で、最もパワフルなiPadがオールスクリーンのデザインで登場
- Apple、次のレベルのワークフローを可能にする次世代チップのM2 ProとM2 Maxを発表
- Apple、M2 Ultraを発表
- iPhone 15 Pro›A17 Proの深層
- Apple、M4チップを発表
- MacBook Pro パワーの美学。
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