これはA11が自作したiOSショートカット置き場で配布しているショートカットの1つ、Password生成の個別マニュアルです。
Contents
Password生成の概要
何ができるの?
Webサイトの会員登録の際必要になるパスワードを文字種と桁数を指定してランダムに生成できます。生成されたパスワードはクリップボードにコピーされ、Webサイトのパスワード欄に貼り付けることができます。当ショートカット自体にパスワード保存機能はないのでiCloudキーチェーンなどパスワード管理ソフトウェアと併用してください。
また、このショートカットは他のショートカットに組み込んで使える設計となっています。詳しくは引数を渡して他のショートカットから実行するを参照して下さい。
開発動機
Password生成はiCloudキーチェーンのパスワード生成機能で生成される文字列にハイフンが入っているため、英数字のみ使えるサイトだとiCloudキーチェーンの生成機能が使えない場合がまあまああるので作成されました。
ダウンロード・インストール
- ショートカット置き場冒頭部に記載している利用条件と諸注意を確認します。
- ショートカット置き場からPassword生成のDLリンクをタップし、ダウンロードします。[iOS14以下]ダウンロード方法が分からない場合はヘルプページのショートカットのダウンロード/インストール方法が分からないを参照して下さい。
- ダウンロード/インストールが完了したら、各設定項目の設定を行ってください。設定方法が分からない場合は設定項目があるショートカットの設定方法を参照して下さい。
- [任意]設定が完了したら、本ショートカットをホーム画面に追加します。ホーム画面に追加する方法が分からない場合は、ヘルプページのショートカットをホーム画面に追加するを参照して下さい。
- 使用を始める前に注意事項を読むことをお勧めします。
- 最初に実行した際、「”Password生成 v1.2″がクリップボードにコピーすることを許可しますか?」と出るのでOKをタップして許可します(バージョンによって数字は変化します)。もし”許可しない”を選択してしまった場合は、ヘルプページのショートカットへのアクセス許可を変更するを参考にクリップボードへのアクセスを許可して下さい。
かんたん使い方ガイド
ここでは、このショートカットを使ってどのような設定でパスワードを生成し、そのパスワードを管理すればいいかを説明します。
パスワードの管理について
- パスワードは覚えるのではなく、iCloudキーチェーンなどのパスワード管理ソフトを使用しましょう。iCloudキーチェーン以外にも、1Password、Firefox Lockwiseなどのサードパーティーアプリを使うこともできます。FirefoxやChromeなどのブラウザにもパスワード管理機能があります。パスワード管理ソフトに任せることで、セキュリティを保ちながら覚えられない複雑さの強固なパスワードを使用することができます。
注意! パスワードはサイトごとに別々に生成しましょう。使いまわしてはいけません。
パスワードの生成
まずパスワードを設定するサイトを開き、パスワード設定画面まで進みます。パスワード設定欄付近を見てパスワードに使える文字種と上限桁数を確認します。
パスワードに-
(ハイフン)が使えるようであればiCloudキーチェーンのパスワード生成機能を使う方がいいでしょう。iCloudキーチェーンで自動生成したパスワードが使えない場合はPassword生成の出番です。
ショートカット一覧やホーム画面に追加したアイコンからPassword生成を起動しましょう。
以下の優先度で文字セットを選びます。
- 英数字+記号
- 英数字(Aa)
- 英数字(aa)
- 数字のみ
例えば、記号は使えず大文字小文字の英数字が使えるサイトであれば”英数字(Aa)”を選択します。
次に、桁数を入力します。桁数はサイトで設定できる上限付近を入力しましょう。
桁数を入力し”完了”をタップすると、生成されたパスワードが表示されます。
問題なければ”クリップボードにコピーして終了”をタップします。パスワードがクリップボードにコピーされるので、Webサイトのパスワード入力欄に貼り付けましょう。
パスワード確定後、iCloudキーチェーンがパスワードを保存するか聞いてくるので”パスワードを保存”を選択します。
パスワード欄がペースト禁止になっている場合
クソサイトです。登録を考え直した方がいいでしょうパスワード欄にペーストできない場合は、クリップボードから消えてしまうのを防ぐためまずiOSのメモAppなどに一時的にペーストしてから手動で入力します。入力とキーチェーンへの保存が終わったらメモを削除します(最近削除した項目からも削除しましょう)。
生成されたパスワードが不都合な場合
もし何らかの理由で別な文字列に変えたい場合は “もう一度生成し直す”をタップします。文字セットや桁数を変えたい場合は”条件を変えてもう一度生成し直す”をタップします。自身で文字列を編集したい場合は”文字列を編集してからクリップボードにコピー”を使います。
注意点
- 本ショートカットで生成されるパスワードのランダム性については保証していません。パスワードのランダム性についてはGet Item from List(Random Item)に依存しています。ただ生成ツールを使わずに人間が考え出したパスワードよりは断然安全でしょうし、正確な生成時刻を公開しなければ実用上問題ないと考えています。
- 本ショートカットはiCloudキーチェーン等のパスワード管理ソフトウェアとの併用を想定しているため、パスワード保存機能はありません。生成されたパスワードをクリップボードにコピー後、キーチェーンに保存する前にクリップボードを上書きしてしまった場合は、生成されたパスワードは消失し、復元することはできません。もし消失してしまった場合は再度生成しなおして下さい。
機能と使い方(詳細版)
文字セットの選択
パスワード生成時に使う文字セットを選択します。
英数字+記号
英数字(大文字+小文字)に加えて@#&*()%-+=/;:^<>_
の記号が使われます。使用する記号は “英数字+記号の生成に使用される記号設定”で変更できます。一番強度が高いです。
# 文字セット
abcdefghijklmnopqrstuvwxyzABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZ1234567890@#&*()%-+=/;:^<>_
英数字(Aa)
英数字(大文字+小文字) パスワードに記号が使えない場合に選択します。
# 文字セット
abcdefghijklmnopqrstuvwxyzABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZ1234567890
英数字(aa)
英数字(小文字のみ) あまり強度は高くありませんので使用する場合は桁数をできるだけ長くして下さい。
# 文字セット
abcdefghijklmnopqrstuvwxyz1234567890
数字のみ
PIN/暗証番号用に使います。パスワードには使ってはいけません。
# 文字セット
1234567890
Base64
英数字(大文字+小文字)に+と/が追加されています。
# 文字セット
abcdefghijklmnopqrstuvwxyzABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZ1234567890+/
カスタム
文字セットを手動で入力します。パスワードに使用する文字を全て入力して下さい。デフォルトで英数字(大文字+小文字)が入力されています。
# デフォルト文字列
abcdefghijklmnopqrstuvwxyzABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZ1234567890
使い方をみる
このページを開きます。インターネット(a11urr.org)へのアクセス許可が必要です。
キャンセル
何もせずショートカットを終了します。
桁数の入力
生成するパスワードの桁数を入力します。なるべく大きい桁数にしましょう。
生成されたパスワードの処理
クリップボードにコピーして終了
生成されたパスワードをクリップボードにコピーしてショートカットを終了します。Webサイトにコピーされたパスワードを貼り付けてキーチェーンに保存しましょう。
もう一度生成し直す
同じ文字セット、同じ桁数でもう一度ランダムなパスワードを生成しなおします。
条件を変えてもう一度生成し直す
文字セット、桁数を再度指定しなおしてもう一度パスワードを生成しなおします。
文字列を編集してからクリップボードにコピー
生成されたパスワードを手動で自由に編集できます。編集終了後は編集したパスワードがクリップボードにコピーされます。
キャンセル
生成されたパスワードを破棄し、ショートカットを終了します。
PINコードの生成
SIM PIN、銀行口座の暗証番号、クレジットカードのPINなども生成できます。
文字セットを選択で”数字のみ”を選び、必要な桁数(大体4か6)を入力すれば生成できます。
設定項目
英数字+記号の生成に使用される記号設定
文字セットに”英数字+記号”を選択した際に使用される記号を設定できます。既定では@#&*()%-+=/;:^<>_
が設定されています。適宜除去・追加して下さい。
引数を渡して他のショートカットから実行する
当ショートカットは他のショートカットから”Run Shortcut”アクションの”Input”に設定を渡して起動することでユーザーの操作なしにパスワードを生成することができます。実行元ショートカットには生成されたパスワードが返り値として戻ります。”Input”に以下のようなJSONの形で桁数と文字セットの設定を渡します。
{"characterSet":"abcdefghijklmnopqrstuvwxyzABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZ1234567890@#&*()%-+=\/;:^<>_","numberOfDigits":25,"silentMode":true}
Key | Type | Value |
---|---|---|
characterSet | String | パスワードに使用する文字セット |
numberOfDigits | Number | パスワードの桁数 |
silentMode | Boolean | バックグラウンドで実行して結果だけを返すモードの有効/無効 |
設定項目と設定値
characterSet
パスワードの生成に使用する文字を空白や改行を入れずに入力します。
numberOfDigits
生成するパスワードの桁数を入力します。
silentMode
“true”にするとユーザーへの問い合わせを一切行わず、生成されたパスワードのみが実行元のショートカットに返されます。クリップボードへのコピーも行われません(コピーしたい場合は実行元のショートカットの方で返り値をコピーして下さい)。他のショートカットに埋め込んで使うなど、完全にバックグラウンドで動かしたいときに使います。
“false”では結果をユーザーに表示し、ユーザーはクリップボードへのコピーや再生成などを選択することができます(“もう一度生成し直す”と同じ挙動です)。
実際の起動の仕方はショートカット内の”もう一度生成し直す”あたりのフローを参考にしてください(Dictionaryを作って渡しています)。
現在のところiOS15では正常に動作しません。原因特定は完了していますが、iOS15.0.2ではGet Dictionary Valueアクションを実行するとクラッシュしやがるため、現在のところそれが修正されない限り修正作業ができない状態です。
応用
カスタムモードで各文字の出現確率を変える
以下のように同じ文字を繰り返し入力することによってその文字の出現確率をアップさせることができます。
# 文字セットを以下のようにすることによって記号の出現確率がアップします
abcdefghijklmnopqrstuvwxyzABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZ1234567890@#&*()%-@#&*()%-@#&*()%-
# 同様に大文字アルファベットの出現確率をあげることもできます
abcdefghijklmnopqrstuvwxyzABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZ1234567890
プライバシー
当ショートカットは以下の情報へのアクセスを要求します。取得する情報は、保存される場合でもあなたの端末内かクラウドストレージのあなたのアカウントのどちらかに限定され、A11が情報を取得することはできません。
情報 | 目的 |
---|---|
ショートカット | もう一度生成し直す・条件を変えてもう一度生成し直す機能のための当ショートカットの再帰的実行 |
クリップボード(コピーのみ) | 生成したパスワードをクリップボードにコピーするため |
インターネット(a11urr.orgのみ) | マニュアルページを表示するため |
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